トレーニングは時間帯によって効果が異なる?
「トレーニングの効果は実施する時間帯によって異なる」ということは、ボディビルダーをはじめアスリートの中では経験的に知られていることですが、今回コペンハーゲン大学を中心とした研究によってそれが科学的に明らかになってきました。
では一体いつトレーニングを行えば良いのでしょうか。研究結果とともに時間帯ごとのトレーニング効果を見てみましょう。
朝にトレーニングをした場合
コペンハーゲン大学がカリフォルニア大学アーバイン校とマウスを使った共同研究を行った結果として、朝の運動は、筋肉細胞が糖や脂肪を代謝する能力を高める効果があることがわかりました。
代謝が上がることでエネルギー消費が向上したり、体の循環を改善する効果が考えられ、この効果は肥満やと2型糖尿病を持つ人々にとって効果的である可能性が高いと見られています。
研究者らは、転写反応や代謝産物への影響など、筋細胞内のさまざまな影響を測定しました。
結果は、朝の運動後の両方の領域で反応がはるかに強いこと、そしてこれは体内の時計を直接調節するタンパク質HIF1-αを含む中心的なメカニズムによって制御される可能性が高いことを示しています。
(引用元)University of Copenhagen、筆者訳
https://news.ku.dk/all_news/2019/06/exercise-may-have-different-effects-in-the-morning-and-evening/
アメリカでは早朝から空いているジムが一般的で、朝から汗を流しているビジネスマンが多く見られますが、日本でも朝カツという言葉が数年前から流行っているように、出勤前の時間を利用してジョギングやジムでのトレーニングを行う人が増えてきました。
「忙しい中でも毎日決まった時間にトレーニングができる」「出勤前に頭をリフレッシュできる」など多くのメリットがあり人気がある朝トレですが、「代謝を高めて痩せたい」という方にも朝トレが適していることが今回の研究からわかりました。
夜にトレーニングをした場合
朝トレには良いことがたくさんありますが、もちろん夜トレにもメリットがあります。
今回の研究で、夜のトレーニングではトレーニング後の数時間のエネルギー消費量が増加されることが示されています。つまり、トレーニング自体で燃焼されるエネルギーに加え、その後も数時間に渡り高いエネルギー消費が継続されるということです。
したがって、コペンハーゲン大学・カリフォルニア大学の研究者たちは、必ずしも朝のトレーニングが夕方のトレーニングより優れていると結論付けることはできないとしています。
また、ノボノルディスク基礎代謝研究センターのJonas Thue Treebak准教授は以下のように述べています。
今回の研究成果に基づいて、朝の運動と夕方の運動のどちらが最善であるかを確実に言うことはできません。
しかし、現時点では、この2つの運動の効果は異なるように思われると結論付けることができます。
そして、トレーニングの時間の違いによるトレーニング効果のの潜在的メカニズムを決定するためには、もっと多くの研究をしなければなりません。
定期的な運動が代謝性疾患を持つ人々の治療戦略として使用できるかを特定するために、我々はこれらの研究をヒトにまで広げたいと望んでいます。
(引用元)University of Copenhagen、筆者訳
https://news.ku.dk/all_news/2019/06/exercise-may-have-different-effects-in-the-morning-and-evening/
まとめ
「時間帯によってトレーニングの効果が異なり、どちらが良いとは一概に言えない」というのが今回の結論でした。
しかし、「代謝を高めたい時は朝トレ」「一時的にエネルギー消費を高めたい時は夜トレ」と目的に応じてトレーニングの時間帯を変えてみると、より効率的なトレーニングが可能になるでしょう。
夏に向けて短期間で痩せたい方は、夜に集中的にトレーニングをして、理想の体を目指してはいかがでしょうか。